うっかり拾うと『犯罪者』に?!知って得する秋の”アレ”とは—日韓よもやま話
秋になると黄色に変化する、街路樹の代名詞といえばイチョウですね。
ソウルも東京も、「市の木」「都の木」はイチョウの木なんだそうです。
そんな秋の風物詩であるイチョウの葉とギンナンのニオイが韓国でいま話題になっているのを、皆さんはご存知ですか?
今日はイチョウについての面白い記事があったので引用しつつ、秋の味覚ギンナンについても触れていきたいと思います。
***
日経ビジネスオンラインによれば、イチョウは「公害や病虫害、火に強く、寿命が長いので街路樹に適している」ため、ソウル市内の約4割程度を占めているそう。そのぶん、秋になると”あの”ニオイが問題に・・・
【韓国でギンナンを拾うのは犯罪!】
さて、踏みつぶされて悪臭がする前に、おいしいギンナンの実を拾っておこう—そんな甘い考えをしている方はご用心!
韓国料理でも炊き込みご飯や参鶏湯(サムゲタン)の具にも使われる、韓方の一種でもあるギンナンですが、韓国では街ナカでうっかり拾うと警察に捕まってしまうかもしれません。これは刑法で「窃盗罪」もしくは「占有離脱物横領罪」(要するにネコババ)というれっきとした犯罪にあたるためで、処罰対象となります。木になっているものを採ろうとして木を傷つけようものならば、更なる犯罪になるので要注意。
町中でニオイを放つギンナンをどうにかしようとしても「犯罪」にあたるため処分に困るのだとか。食べれもしない、片付けもできない。うーん、悩ましいですね。
ちなみに日経ビジネスオンラインによれば、日本でも街路樹の実は個人が勝手に採ってはいけないものの、「道路に落ちた銀杏を拾うことは犯罪になるわけではない」とのこと。いずれにせよ、周囲との衝突を招くような拾い方は避けたいものです。
【大量のギンナンと落ち葉の行方】
ソウル市と各区の自治体がタッグを組んで一掃すると毎年4000キログラム分も採れるというギンナン。最近はネットを張り、地面に落ちる前に収穫したものを、福祉施設を通じて高齢者や生活保護者に配布しているのだとか。
目にまぶしい黄色の落ち葉はというと、「冬のソナタ」ロケ地でおなじみナミソム遊園地へ送り、イチョウの黄色い絨毯の道をつくって観光客を楽しませているとのこと。雪の並木道のイメージが強いナミソムですが、秋の名所としてイメージが定着する日も遠くないかも?
【実は韓方!滋養豊富なギンナン】
古来より民間療法では「せきどめ」に使われていたギンナンの実。カリウムやビタミンB1、抗酸化作用のあるビタミンEなどの栄養がたっぷりで、
・老化防止
・高血圧の改善・予防
・風邪の予防
・夜尿症の改善
などなど、挙げればきりがありません。
ただし、中毒症状を起こす物質も入っているので、お子さんの食べ過ぎには注意したほうが良さそうです。
まだまだ気になる方は、豊富な知識とわかりやすい解説でギンナン推しをしているこちらのサイトをご参照ください。ちなみに、こちらのサイトさんによるとギンナンとタマゴの食べ合わせは栄養の吸収に最適!ということで、茶碗蒸しが抗酸化作用に適した料理だとして紹介されています。
【韓国のイチョウ対策】
さて、話は逸れてしまいましたが、韓国政府もイチョウ対策に本腰を入れ始めているようです。それは、
実のなるイチョウの雌木を抜き、雄木に植え替える
というもの。たしかに実のならない雄木は今までどおり街を守ってもらうのに適しているため、抜く必要はなさそうです。いままでは、雌木/雄木の区別は木を育てて15年ほど経たないと分からないと言われていたのですが、現在はDNA鑑定でイチョウの雌雄の判別が可能になったとのこと。今後は苦情の多い場所や、人や車の往来が多いところを優先的に植え替えていくそうです。しかし財政面や交通規制を考えると、課題と不安が残る結果に。
やっぱり、市民が自由に拾えるようにするのが
みんなハッピーになる一番の方法なんじゃないか…?と筆者は思うのでした。
さ、栄養たっぷりのギンナンを食べて、健康的に秋冬を乗り切りましょう。
韓国へ渡航予定のある方は、くれぐれも犯罪者にならないように気をつけて、素敵な時間をお過ごしくださいね。
おあとがよろしいようで。
アンナ