韓流映画のススメ—「ただ君だけ」
「ただ君だけ」
ソン・イルゴン監督 2011年
あなたは、愛する人のために命を”賭け”られますか?
たとえば、あなたが愛する人が大きな障害を負っていたとして、
たとえば、その障害を手術で治すことができたとして、
その費用を稼ぐために、命がけで戦うことができますか?
…これは、そんな一組の男女のお話です。
韓国映画に出てくるカップルは、いつも不器用。
それがもどかしくもあり、いとおしくもある。
あたたかい人たち、可愛い子犬、やわらかな日差しに包まれて、盲目の心優しい女性と、無口で無骨な男性の、優しいラブストーリーが紡がれていきます。ちょっとした笑いが垣間見える前半と打って変わり、男が闇の格闘技に出ることを決めてからは、命を狙われるシビアなシーンが後半の空気を重くします。突然目の前から消えた愛する男。彼の存在と引き換えに視力を得た彼女の瞳は、彼を映し出すことが出来るのでしょうか…。
***
再会のときは突然に訪れ、気付かぬうちに去って行く。
彼女の瞳に光を取り戻すために戦った恋人のために、次は彼女が力を振り絞る番なのですが、その後の展開に涙が止まりません。なにしろ、彼女は一度も彼の顔を見たことがないのですから…
そうなの!彼なのよ!早く走って!見つけて!
と、誰もが画面に向かって心の声で叫び、ヒロインを応援しますが、
果たしてその結末やいかに。
純愛って何だっけ…そう思い始めた方々にオススメの映画です。